私が野球をよく見るようになりはじめの1980年代終わり頃は広島カープがとても強い時代でした。雑誌の特集では『投手千年王国』とか言われてたし(その手のスカしたタイトルはたぶん「ナンバー」だろう)、守備・走塁面にも優れていた。まあ守備が優れていたかどうかは実はあまり記憶にないんだけど…何せあまりにも当時の中日の守備陣が
幻想的だったもので、他球団はドコも皆優れて見えたもんでしたが…でも走塁面の記憶は確かでいわゆる機動力に長けたチームという感じ。投手力・守備力・機動力…今のカープにはどう贔屓目に見ても足りないものばかりで、昔の話なんかするとまるで夢の中のお話のようでありますが…。
でもそれが現実だったその昔の広島の若きホープのむけんこと野村謙二郎。17年の現役生活を終え今季限りで引退を表明、去る10月12日のカープ最終戦が最後の勇姿となりました。
当日は広島ファンのじんさんから頼まれたので録画をしつつテレビを見ていたんだけど、長いことやってた選手が辞めるのってやっぱり寂しい。
試合が終わり、勝ってAクラスを決めた対戦相手の横浜の選手達は早々にベンチから引き上げて後はのむけんの引退セレモニーとなった。市民球場がまるで優勝のかかった試合でもあるかのように真っ赤っ赤で皆がたった一人を送るために(他にも引退選手はいましたが。カンエイとか…)一点を見つめて声援を送っていた。子供も若い男女もオバちゃんもお父さんも、皆半分泣いたような顔で手を延ばしてた。中には泣きじゃくってるオッさんもいたようだ。当ののむけんの挨拶はさわやかで明るく、たぶん努めてそう振る舞っていたんだろう、ナインやコーチひとりひとりに花束を貰いながら微笑んでいたが、最後にやはり今シーズン限りで広島を去る山本浩ニ監督に労われて感極まって泣いてしまっていた。うう。ついついテレビの前でこちらももらい泣き。
いいセレモニーだったね。皆のむけんが好きなんだね。
ところで冒頭の RAN って何よ。
私は広島についてあまり詳しくないし、昔は今みたいにCS中継などなかったから巨人戦くらいでしか広島を見る機会はなかったけど、ある時のむけんの応援ソングに爆風スランプの『ランナー』を使ってた時があるんじゃないかと記憶の片隅にあるんだよね。同時期の中日の川又の応援歌も同じ『ランナー』で、これは私は中日ファンなので憶えてる。「♪打てよ打てよ川又〜」って今でも歌える。でもどう見ても川又の方が鈍足なんだから、正直どうかと思ったのだ。どうかと思っていたら別の機会にふとのむけんの打席で聞こえた曲が『ランバダ』だったので笑ってしまったのだった
(※)。どっちにしろ『ラン』なんだな。
※古い話だし他球団の話なので詳細は不明。記憶違いもあると思われるけどその際はご容赦を。
だから当時私らはのむけんの事を野村ランと呼んでいたのだった。
この野村ランにはもうひとつ理由があって、野村といえば他に野村克也氏が居たので彼の事を野村(のむ)キャー。立浪と同期で当時大洋ホエールズの投手だった野村弘樹の事を野村(のむ)ピー。そして野村謙二郎は野村(のむ)ラン。
足が速いと思ったからそう呼んだんだね。
『ランナー』はrunnerだから本当はRUNなんだが、名前だからRANと表記したのだった。
そんな訳で、どんな訳だかよくわからない話だけどつまりのむけん、のむランよお疲れさん。またいつか球場で会おう。(強引な〆め)
それは広島に新球場が出来る時なんだろうか。
たる募金にはお金を入れたけど、今の球場が無くなるのはやっぱり寂しい。
だから(新球場を)止めろとは全然思わないけど本音は寂しい。神宮も市民(球場)も、古くて狭くてトイレが今どき便所って感じだけど私は好き。
でも新しいものも好きだよ。何処でやったってカープはカープだし
ドラゴンズはドラゴンズだもんなあ。